「八王子街道」は八王子には無い: 『地図でたどる多摩の街道』他12冊【読書月報 2015/04号】

Posted by localpocky on 25.2015 読書月報   0 comments   0 trackback




150525 bookmeter

先月(2015年4月)の1ヶ月間に読んだ本を「読書メーター」でまとめました。
今回のおすすめ本は、こちら↓です。

今号の1冊:『地図でたどる多摩の街道』


地図でたどる多摩の街道――30市町村をつなぐ道

今尾恵介
けやき出版 2015-04-01
by ヨメレバ

2015年4月刊。
昔から存在する「道路」に注目して、多摩地域の各市町村について、明治初期と現在の地図で比較して、その移り変わりを味わう本。

多摩地区在住の自分には、土地勘のある場所が多くて、とても面白い。
すべての市町村で、過去の現在の2枚の地図が欠かさず載っているのもうれしい。

驚くのは、昭和初期の八王子の街の「巨大」っぷり。
この頃(明治26年)の多摩地域で都市らしい場所と言えば八王子が唯一の存在で、隣の(中略)といった町とは比較にならないほどの規模をもっていた。(p.58)」と書かれていますが、当時の地図を見ると、まさにその通り。

立川の地図(昭和10年)は、駅の北側の一部だけが街で、他は一面の桑畑だと言うのに、 八王子の地図(昭和5年)では、駅周辺に巨大な街が形成されていて、その大きさには、ただ驚くばかり。

また、「街道名は本来『行き先表示』が原則」という解説には、大いに納得。
以前から疑問に思っていたことが解消しました。
今でも「八王子街道」は八王子には無いですもんね。

【引用メモ】
逆に目的地・大山からの視点で考えてみると分かりやすいが、大山からいろいろな方角に延びる道をすべて「大山道」と読んだら区別がつかないので、おそらく平塚道、江戸道などと呼んでいたに違いない。現在では道路の名称を1つに固定する傾向があるので、国道20号が神奈川県から甲斐国に入っても甲州街道と称しているようだが、本来それはおかしいのだ。(p.9)
街道名というのは、鎌倉へ向かう道はどれも「鎌倉道」であったように、最初はあまり移動しない地元の人がミクロの視点でそれぞれ呼んでいたため、場所により時代により異なるのは当たり前で、しかも交通の流れの変化も受けて変遷は著しかった。それが行動半径の飛躍的に広がった近代を迎えて徐々に固定化していったのである。(p.93)
現在では府中市内でも府中街道と呼ばれているのだが、街道名は本来「行き先表示」が原則であり、かつては川越街道と称した。(p.134)


2015年4月に読んだ本 まとめ


2015年4月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:2618ページ
ナイス数:17ナイス

田中角栄 100の言葉 ~日本人に贈る人生と仕事の心得田中角栄 100の言葉 ~日本人に贈る人生と仕事の心得感想
2015年2月刊。田中角栄の名言集。痛快。自分は現役の頃を知らないけれど面白かった。個性的な写真も見ごたえあり。◆【引用メモ】田中角栄が軽井沢でゴルフをする際はいつも、40人近い長野県警の警察官が元総理でロッキード事件の被告の「警護」に当たるのが常だった。ゴルフが終わると、パーティーがある。角栄は秘書の早坂茂三を呼び、人数分の白封筒を渡すと「若い警官たちを楽にさせてやれ」と配慮を忘れなかった。翌朝、警官たちは東京へ戻る角栄を敬礼で見送ったという。そのなかには涙ぐんでいるものも少なからずいた。(p.29)
読了日:4月29日 著者:

ばんざい またね (一般書)ばんざい またね (一般書)感想
2015年4月刊。73歳になった欽ちゃんの、ちょっとしんみりとしたエッセイ。最後の舞台や、お墓のことなど。「死ぬまで挑戦」。◆【引用メモ】ぼくが「(台本の)ここを変えよう」って言った時に、「せっかく覚えたことをどうして変えるの?」じゃなくて「はい、またきましたね」とワクワクできる人は、きっと腕が上がる人だと思う。(p.37)◆仕事って、どの仕事も一緒だと思うけど今やっている仕事の"先"を考えることなんですよ。この仕事をもっとおもしろくするには、もっといいものにするにはどうしたらいいかって。(p.114)
読了日:4月27日 著者:萩本欽一

絶対音感のドレミちゃん絶対音感のドレミちゃん感想
2014年11月刊。今は「普通の音楽家」になった半生を綴ったエッセイ。「2006年2月10日、スター引退宣言日」(p.79)は一読の価値あり。◆【引用メモ】夜中につらつらと内省していたら、ふと、ある言葉が閃いたんです! その言葉とは「存在力」。自分を存在させる力。いつでもどこでも強く、意識的に、自分を存在させようとする力。堂々と社会に自分の存在を認識させる力。私の中で、この「存在力」という言葉が降りてきた瞬間、すべてが腑に落ち、納得できたのでした。「そうだ、私には、存在力が足りないんだ」と。(p.165)
読了日:4月26日 著者:広瀬香美

なぜ「小三治」の落語は面白いのか?なぜ「小三治」の落語は面白いのか?感想
2014年8月刊。前半は柳家小三治へのロングインタビュー、後半は小三治の主要落語演目90席の紹介。このインタビューは貴重だと思う。◆【引用メモ】芝居じゃないんだ、と。落語は。「おはなし」なんだ、って(小さんは)言ってましたよ。(p.24)◆私の噺の根本は、「こういうの、あるよね!」っていう、その共感。(p.27)◆本を素読みにしても面白いものを、節つければ面白いのは当たり前なんで。俺がやりたいのは、本を素読みにしても面白くないものを、噺家がやると、こんなに面白くなるのかい、って噺にしたいわけ。(p.42)
読了日:4月24日 著者:広瀬和生

書きたいのに書けない人のための文章教室書きたいのに書けない人のための文章教室感想
2014年11月刊。大人のための文章講座。推敲はほんと大事。◆【引用メモ】自分の書いた文章には、どうしても書いたときの思惑や興奮がまだ染みついています。そこに「ちょっとここが分かりづらいかも」とか、「この形容でもっといい言葉はないかな」というふうに、批評的に突き放す視点が必要になるのです。推敲をしていると、こういう場合はこういうふうにする、という自分なりの一貫した方針というか、流儀のようなものが次第に出来あがっていくものです。それがひいては、あなた特有の「文体」になっていきます。(p.103 推敲しよう)
読了日:4月20日 著者:清水良典

メガ! :巨大技術の現場へ、ゴーメガ! :巨大技術の現場へ、ゴー感想
2015年2月刊。巨大さと精密さが同居した、大型工場・施設の見学レポート。成毛さんの「桁違い」を見ることのススメ。◆【引用メモ】道路や鉄道の地下トンネルは(中略)巨大なシールドマシンを使って、数キロメートルも地中を掘り進む。しかし、数カ月後に目的の地点に到達しても、計画から数ミリ程度しかずれていなかった。現場の技術者にとっては常識だという。ぼくのような素人が、その緻密さに心底驚愕することに、むしろ驚いていたほどだ。(p112)◆個人間にしろ国家間にしろ、トラブルの遠因は視野の狭さにあると思う。(p114)
読了日:4月19日 著者:成毛眞

絶滅企業に学べ!   今はなき人気企業に学ぶ10の「勝因」と「敗因」絶滅企業に学べ! 今はなき人気企業に学ぶ10の「勝因」と「敗因」感想
2015年3月刊。セゾングループ、山一證券、中島飛行機など、かつて存在していた10の巨大企業の始まり、繁栄、そして終焉。指南役さんは物語をドラマチックに書くのがうまい。短い文で、臨場感たっぷりな文体、好きです。◆【引用メモ】それまで「区役所通り」と呼ばれていた坂道を「公園通り」と呼び名を変え、さらに道沿いに「VIA PARCO」の看板を掲げた。要は、渋谷駅からのアプローチもパルコの演出するアイテムの1つとして考えたのだ。1973年6月、渋谷パルコがオープンし、同館は瞬く間に社会現象となった。(p.129)
読了日:4月18日 著者:指南役

地図でたどる多摩の街道――30市町村をつなぐ道地図でたどる多摩の街道――30市町村をつなぐ道感想
2015年4月刊。昔から存在する道路に注目して、多摩の各市町村を昭和初期と現在の地図で比較。街道名は本来「行き先表示」が原則で、「国道20号が神奈川県から甲斐国に入っても甲州街道と称しているが、本来それはおかしいのだ」(p.9) という説明にはとても納得。今でも「八王子街道」は八王子には無いですしね。◆【引用メモ】街道名というのは、鎌倉へ向かう道はどれも「鎌倉道」であったように、最初はあまり移動しない地元の人がミクロの視点でそれぞれ呼んでいたため、場所により時代により異なるのは当たり前で… (p.93)
読了日:4月15日 著者:今尾恵介

脳がつくる3D世界:立体視のなぞとしくみ (DOJIN選書)脳がつくる3D世界:立体視のなぞとしくみ (DOJIN選書)感想
2015年2月刊。人間や動物がどうやって視界から立体感を得ているのか、その仕組みをいろいろな視点から見ていく本。難しいけど面白い。「単眼立体視」という言葉があったとは知らなかった。◆【引用メモ】本書の紙面と目の中間位置に、指を開いて手をかざしてみる(中略)指が紙面の手前にあるにもかかわらず、文章のほとんどを読み進むことができる。ところが、片目をつむると指がじゃまをして、読めないところが出てくる。両目を使うことで、片目では見えない指の向こう側が透けて見えるのである。(p.88 両眼立体視の進化と「透視術」)
読了日:4月12日 著者:藤田一郎

変革のアイスクリーム---「V字回復」を生んだ13社のブランドストーリーに学ぶ変革のアイスクリーム---「V字回復」を生んだ13社のブランドストーリーに学ぶ感想
2015年3月刊。長年愛され続けている定番の家庭用アイスクリーム13種類の商品開発物語。カリカリの三角コーンが特徴の「ヨーロピアンシュガーコーン」(クラシエ)、コーンの内側に吸湿防止のチョコレートコーティングが施されているとは知らなかった!◆【引用メモ】高級ブランド、人気ブランドという言葉をよく耳にするが、「ブランド」はもともと、牛などの家畜に焼印を押すことが語源。家畜を見分けるための目印である。そこから自社の商品やサービスを他社のものと区別するための名称、イメージなどを言うようになり… (p.120)
読了日:4月9日 著者:新井範子

2日で人生が変わる「箱」の法則2日で人生が変わる「箱」の法則感想
2007年刊。相手と敵対しない平和な心の作り方。敵対の原因は、ゆがんだ自己正当化の悪循環。前書(緑本)を先に読むのがおすすめ。◆【引用メモ】私たちは自分にそむいたとき、さまざまな正当化をします。例えば、自分を人よりも優れた存在だと見なすやり方をするかもしれない。自分は優秀であると思えば、多くの罪悪の言い訳をすることができる。(p142)◆自分の気持ちにそむけば、たちまちそれを正当化するような見方で世間を見はじめる。同時に、ものの見方も生き方もゆがみはじめ、それを正当化する必要が生まれるのです。(p173)
読了日:4月7日 著者:アービンジャー・インスティチュート

交通情報の女たち交通情報の女たち感想
2014年11月刊。「日本道路交通情報センターの○○さん」でおなじみ、ラジオの交通情報。その発信現場の舞台裏。アナウンサーへのインタビューが中心で、交通情報そのものの技術的な説明は少なめ。◆ラジオの出荷台数の7割がカーラジオなのだそうな。アナウンサーの福井謙二さんが2013年9月にフジテレビを定年退職していたとは知らなかった。今は文化放送でラジオの番組をやっているのだそう。
読了日:4月2日 著者:室井昌也


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電車好きを返上して、にわかに興味が出てきたのが野鳥。姿を見たり鳴き声を聞くと和みます。好きな鳥はハクセキレイ。カワセミを一度この目で見てみたいです。
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