[読書メモ] 「探偵もの」としてはある意味で問題作?/『論理爆弾』有栖川 有栖

Posted by localpocky on 16.2013 書評/読書メモ   0 comments   0 trackback





論理爆弾


2012年12月刊。
有栖川有栖の長編ミステリー、探偵「ソラ」シリーズ。
闇の喇叭』『真夜中の探偵』に続く、シリーズ3作目。
謎解きミステリー…というよりは、探偵見習いの主人公「空閑 純」の成長物語。

<ざっくりあらすじ>
純の両親は探偵。父親は逮捕され、母親は事件を追う最中に行方不明に。
母親の消息を追って、純は一人で山奥の深影村(みかげむら)へ。
そこで起きる、連続殺人事件。
奇しくも隣村には、ある人物の暗殺を企てた「北」の工作部隊が忍び込んでいた…。


3作目ということもあって、北海道が日本と分裂して独立国家になっていたり、探偵行為が法律で禁止されている世の中だったり、というクセのある設定にも、だいぶ慣れてきました。

なかなかミステリーっぽい事件が起こらないのは、今までと同じです。
ただ、封鎖的な暗い世界観は、前々作・前作よりは和らいでいるように感じます。

探偵になることを決意してから、ずっと連絡を絶っていた高校の親友との「間接的な」やり取りのエピソードがいいですねー。

ラストで主人公が目の当たりにする「報い」は、そのまま読者にも向けられます。
「ミステリーの作中で、それを言っちゃうのか!」と、ちょっとびっくり。
本作は「探偵もの」としては、ある意味で問題作と言えるかもしれません。

きれいな装丁と、小口(ページの3辺)が一色に塗られているのも、このシリーズの特徴。青、灰色、ピンク色ときて、次の4作目は何色になるのかな。

<引用メモ>
――落ち着いて焦れ。
これは父の言葉だ。どんな場面で発せられたのかは忘れた。(p.274)
「一人で知らない土地を旅するのはさびしいもんだが、思いがけずいい人と出会う機会もある。それに、どんなときも、どんなに孤独でも、自分自身はいつでもいっしょにいて、心の中で対話できる。だから、自分を好きになるようにね。」
元さすらい人の助言に「はい」と答えた。(p.458)
(2013/01/14 読了)

論理爆弾

有栖川 有栖
講談社 2012-12-20
by ヨメレバ


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