[読書メモ]『江神二郎の洞察』/有栖川 有栖:『月光ゲーム』よりも前、江神シリーズ最初の事件

Posted by localpocky on 01.2012 書評/読書メモ   0 comments   0 trackback





江神二郎の洞察 (創元クライム・クラブ)


2012年10月刊。江神シリーズ(学生アリス)、27年目にして初の短編集。
書き下ろし1編を含め、今までに発表された短編が作中の時系列順に並べて収録されています。

ほとんどがアンソロジーに収録済みの話のようですが、幸運にも私が読んだことのない話ばかりで、久しぶりの江神シリーズを楽しみながら読みました。

それぞれの短編を1冊の本として通して読んでみると、ところどころで他の短編との話のつながりが見えてきて、楽しいです。

「――アリス、お前はなんでそんなにミステリが好きなんや?」
(p.323「除夜を歩く」)

作中の時間は 1988年4月~1989年4月。昭和から平成の変わり目の、わずか1年間。
この間にさらに『月光ゲーム』での大事件が含まれるのですから、なんて密度の濃い1年間なんでしょう…。

1話目は、有栖川有栖が英都大学に入学し、推理小説研究会(EMC)に入部したときのお話。江神・望月・織田の諸先輩から初めて「アリス」と呼ばれるシーンが、なんとも微笑ましいです。

最後の話は、推理研の紅一点、有馬麻里亜が入部するきっかけとなったお話。アリスとマリアのコンビというのも、なんだか懐かしいですねえ。

自分が好きなシリーズのくせに「懐かしい」と思ってしまうのは、江神シリーズの作品はめったに発表されないので、長編の『月光ゲーム』『孤島パズル』『双頭の悪魔』がどのようなストーリーだったか、ほとんど覚えていないというのが正直なところだったりします。
(比較的最近に読んだ『女王国の城』は、まあまあ覚えていますけど)

これを機に、1作目の『月光ゲーム』を Kindle 版で読み直してみようかな、と思っています。

「殺人事件がミステリの中心的モチーフになることには必然性がある。当たり前に響くやろうけど、被害者が絶対に証言できない、というのが重要なんや」
(p.324「除夜を歩く」)

このシリーズ、長編では殺人事件に次々と遭遇する印象がありますが、短編では「推理ゲーム」のような軽めのタッチの話が多く、気楽な感じで読めます。

著者曰く、この江神シリーズは、長編5冊、短編2冊で完結させる予定とのこと。
ということは、長編と短編があと1冊ずつということになりますね。
シリーズが終わってしまうのは残念ですが、願わくば自分がそのフィナーレに立ち会えますように。

(2012/12/01 読了)

江神二郎の洞察 (創元クライム・クラブ)

有栖川 有栖
東京創元社 2012-10-30
by ヨメレバ


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