辞書作りの物語。製作期間15年の、最初の2年と最後の2年。[読書メモ]『舟を編む』/三浦 しをん

Posted by localpocky on 29.2012 書評/読書メモ   0 comments   0 trackback





舟を編む


2011年9月刊。2012年の「本屋大賞」大賞受賞作。
先に読み終わったかみさんが「これ、気に入ると思う」と勧めてくれたので、読んでみました。

一泊二日の旅行に持っていって、2日間で一気に読み切っちゃいました。
私は「旅行先ではテレビを見ない」と決めているので、読書がとてもはかどるのです。

「辞書は、言葉の海を渡る舟だ」(中略)
「海を渡るにふさわしい舟を編む」(p.27)

ある出版社の片隅にある「辞書編集部」が、15年かけて1冊の辞書を作り上げる物語。
「辞書作り」そのものの話の面白さもさることながら、その周囲を取り囲む話も楽しい。
ひたむきで、あたたかみのあるお話でした。
重すぎず、軽すぎず、適度な軽さのバランスが読んでいて心地いいです。

物語の真ん中で、ストーリーが大きく分かれます。
15年のうちの「最初の2年」と「最後の2年」を切り出しているところが、時間の経過を引き立たせていますね。

おとなしそうな主人公が、目上の人に対しても「僕」ではなく「俺」という一人称を使っているところがちょっと変わっているなと思ったのですが、敢えてそういう「ルーズさ」を出しているのかもしれません。

忘れてならないのが、この本の装丁のギミック。
途中で、思わず表紙や見返しを見直してしまうこと、うけあいです。
地味な装丁には、そんな秘密があったんですね…。

<引用メモ>
たくさんの言葉を、可能なかぎり正確に集めることは、歪みの少ない鏡を手に入れることだ。歪みが少なければ少ないほど、そこに心を映して相手に差しだしたとき、気持ちや考えが深くはっきりと伝わる。一緒に鏡を覗きこんで、笑ったり泣いたり怒ったりできる。
辞書を作るって、案外楽しくて大事な仕事なのかもしれない。(p.186)
記憶をわけあい伝えていくためには、絶対に言葉が必要だ。(中略)
死者とつながり、まだ生まれ来ぬものたちとつながるために、ひとは言葉を生みだした。(p.258)
(2012/11/26 読了)

舟を編む

三浦 しをん
光文社 2011-09-17
by ヨメレバ


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