[読書メモ] ダチョウが人類を救う!…かも「ダチョウ力 (ぢから)」/塚本 康浩

Posted by localpocky on 31.2011 書評/読書メモ   0 comments   0 trackback
ダチョウ力

身長2.5m、体重100キロ。時速60キロで走る足。
年に100個の卵を産み、寿命はなんと60年。
世界一おおきな鳥、ダチョウ。

そのダチョウの魅力に取り憑かれた教授が書いた、ダチョウの観察と研究についての本です。

2009年3月刊。
サブタイトルは、「愛する鳥を「救世主」に変えた博士の愉快な研究生活」。
先日読んだ「大人げない大人になれ!」という本で紹介されていたのがきっかけで、読んでみました。

前半はダチョウの生態について、後半はダチョウ抗体の話がメインです。

ダチョウ観察の舞台は、もやしの製造販売をしている会社が作った「ダチョウ牧場」。
日本にダチョウ牧場というものが存在していたとは、びっくりです。
しかもエサは「もやし」だそうな。そこに、著者は5年間通い続けます。

しかし、ダチョウが世界制覇を実現するためにひとつ欠けているものがあった。頭脳である。あの巨体で脳はネコなみに小さく、ネズミのように脳のしわがない。たとえ、どんなに肉体的に資質があろうとも、ネズミなみの脳で生物界の頂点に立つのは不可能だ。(p.8)


ダチョウはカラスにつつかれても平然ともやしを食べている。その間にも第二、第三の攻撃が続き、そのうち出血しはじめた。(中略)
ダチョウは体中をカラスのくちばしでつつかれているというのに、表情も変えずもやしを食べている。尻や腰の肉はクレーター状にえぐれて、血だまりができているというのに。(p.24)



ダチョウはアホで鈍感だけど、ケガの治りが早く、病原菌に対する免疫力が強い。
その回復力と免疫力の強さに注目して、「ダチョウ抗体」が作り出されました。

「抗体」というのは、インフルエンザやガン細胞などを攻撃する、免疫システムの実戦部隊。
無毒化したウイルスをダチョウに注射すると、免疫システムが作動して、そのウイルスを攻撃する抗体が作られます。そのダチョウが産んだ卵から、抗体を取り出します。

ニワトリの卵で抗体を作るよりも、低コストで大量に作ることができるとのこと。
ダチョウ抗体をコーティングしたマスクが、「抗体マスク」として既に製品化されているそうです。
ダチョウ、すごい!

ダチョウ抗体のことは、新型インフルエンザの流行時に、テレビでも取り上げられていたそうですが、自分はその存在すら知りませんでした。
今後のダチョウの活躍ぶりに注目します。

本書は、軽いタッチで書かれていて、とても読みやすい内容になっています。
本文を丸ゴシックのフォントにしたり、意識的に漢字の量を減らしたりして、読みやすくしている工夫が感じられます。
クリーム色で、かわいらしい装丁の表紙もいいですね!

ダチョウが医療の世界で人間社会のために最大限に役に立つ鳥になっていくことは間違いないだろうと確信している。ダチョウ研究チーム、ダチョウ牧場もこれから、ますます忙しくなっていくことだろうが、僕はあくせくせずに、静かにダチョウを眺めていたい。
(p.189 あとがき)


(2011/07/25 読了)

ダチョウ力 愛する鳥を「救世主」に変えた博士の愉快な研究生活

塚本 康浩
朝日新聞出版 2009-03-19
by ヨメレバ



  

プロフィール

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Author:localpocky
電車好きを返上して、にわかに興味が出てきたのが野鳥。姿を見たり鳴き声を聞くと和みます。好きな鳥はハクセキレイ。カワセミを一度この目で見てみたいです。
読書は1週間に1冊のペース。図書館も愛用しています。
2007年にMacにスイッチ。iPhoneも活躍中。
ささやかな楽しみは、手挽きのミルで豆を挽いてコーヒーを入れること。自分で入れたコーヒーはおいしい!
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